アップルの異端児ノート
PowerBook100(以下PB100とします)、1991年にアップルが世に送り出したノートパソコン第1号。
正確にはPowerBook140と170と併せて3モデル同時発表されました。
当時のノートPCはどれもキーボードが前面にせり出したデサインでしたが、PowerBookはキーボードを奥に、その手前にパームレスト、中央にトラックボール(現在はトラックパッドですね)を配置するという画期的なレイアウトでした。
これは現在のノートPCのデザインのセオリーとなっていますね。
140と170は同じ筐体(フロッピードライブやSCSIポートなども装備)で、両モデルの相違点は液晶のグレード(STN液晶とTFT液晶つまりコントラストと視野角の違い )の差によるもので、いわば兄弟モデルです。
これに対してPB100は、フロッピードライブや幾つかのポートを取り除き、筐体は140・170よりコンパクトなオリジナルのデザイン。
140・170より一世代前の非力なモトローラ68HC000というCPUを積んでいました。
設計製造はソニーが担当。いわば妾腹モデルなんですが、ソニーっぽい洗練された雰囲気の漂う独特のマシンでした。
僕がPowerBookでデビューした95年当時、PB100は販売終了していましたので、後年手に入れたPB100 計3台はすべてジャンクでした。
ドナドナ
15年ほど前ににヤフオクでゲットしたPB100(ジャンク1号機)。こいつは早々に部屋のオブジェと化してしまったのですが、当時は現役で使っていたPB-G4の他に、コレクションとして165,540C,G3他数台のPBを所有していました。
ところがある日、家内から断捨離司令発令!迷った挙げ句、動かないPB100をヤフオクに出品することにしました。
今思えばPB165あたりにしておけばよかったのですが。。
ヤフオクで即決価格100円+送料という値付けをしたこともあり、なんと出品3分で落札されてしまいました。
落札者の方に早業だった理由を尋ねてみると、「PB100出品アラートを設定していたものの、なかなか良いPB100は上がって来なかったんですよ。今回は美品ですし、しかも100円。ラッキーでした。」とのこと。
これは失敗したな!と思ったのは後の祭り。
それから何年もPB100の出もの(完動品あるいは動かなくても美品)に出会うことはありませんでした。
ジャンク再生
その後PowerBook熱が冷めてしまった時期もあったのですが、7年ほど前にヤフオクで、ジャンク2号(液晶の状態が良いがHDDお亡くなり品)、メルカリでジャンク3号(液晶含め状態がかなり悪いが一応動く)をゲットすることが出来ました。
2台揃ったところで、それぞれのいいとこ取りして、文句の無しの完動PB100完成!
でも、暫くするとこの時代のノートPCの宿命。電解コンデンサの液漏れで、液晶が映らなくなるりまたもやオブジェ状態に。
ヤフオクやメルカリで捜してもPB100完動品は上がってこないので、仕方なく自分で直そうと言う無茶な決意に至ったわけです。
早速ネットでPB100の技術情報を探し回り、約20種類の電解コンデンサを交換する事が必要ということがわかり、アキバのパーツ屋さんで各種コンデンサを揃えました。
ホームセンターではんだゴテも購入しました。
僕は文系なので電子技術とかかなり疎く、はんだゴテさえ握ったことがないのですが、どうせ動かないわけだし失敗は覚悟の上で、人生初のハンダ作業!
半日ほどかけてすべてのコンデンサを付けかえました。
そして、筐体を組み直し電源を入れ直すと。。見事に起動。PB100復活の儀!さすがにこれには感動しましたね〜。
自分にはPowerBookの神様が付いているのではないかと!?
それから更に数年後、このPB100、この世代のノートPCが避けて通れない液晶モニタビネガー症候群となってしまい、偏光板の新しいヤツをネットで買って、接着剤を確か軟化スプレーをかけながら、ヘラで剥がして貼り直しました。これもまた根気は要るし、臭いは強烈だしで壮絶な作業だったのですが、今思えばPower Book愛の成せる技だったと思います。
この記事を書くにあたりPB100、久々に起動させようとしたのですが、肝心のACアダプタが見つからず。。
なので、今年の大掃除までクローゼットの中でお休みさせておきます。