この春先から夏場に掛けパリ、香港、深圳と出かけ、それぞれのスタバに関し僕なりの感想をまとめておきます。
パリのスタバ
写真はメーデーの朝、スタバ店内から眺めたパリオペラ通り界隈の景色(休日のパリの街はガラガラです)
パリは300年来続くカフェ文化があり、街角のカフェは庶民のサロン的な存在です。
これに対して新参者のシアトルコーヒーStarbucksは、パリ市民には浸透しきれていない感があります。
世界的な大都市にしてはお店自体の数も少ないし、店内も日本のようにお客さんで溢れかえっていることもありません。どちらかというと観光客のための慣れ親しんだ味を求めてくるお客さんのためのお店という印象でした。
5月1日のメーデー。基本的にパリは日曜・祝日はデパート、商店、コンビニどのお店もお休み。パリ市民はのんびり自宅で休日を過ごします。
しかし、それでも街角のカフェとスタバは営業。
カフェはそこそこ近所の人達である程度の賑わいをせていましたが、スタバはお客さんもまばらで殆どがテイクアウト。店内もそれほどお洒落という感じではありません。
お値段はドリップコーヒーのトールサイスで4ユーロほど。日本円で600円ちょいですね。
現地に行って庶民的なスーパー含め買い物をすると、1ユーロは100円かな?という感覚でした。
スタバのポリシーである自宅・職場以外の第3の場所を提供しますという「サードプレイス・ポリシー」は既にパリにはカフェと言う場所に存在していて、歴史的雰囲気や個性的サービスを提供し続けてきました。
スタバのホスピタリティはパリの個人主義(好きなように過ごします)とは相容れないのでしょうね。
香港のスタバ
香港の中心街、尖沙咀(チムサーチョイ)は至る所にスタバがあります。
店内も日本のスタバ並みに混んでいます。
お客の大半は粋な香港人、若者、欧米人で中国人観光客は殆ど見かけません。
(街中は圧倒されるような中国人観光客でまさにオーバーツーリズム状態なのですが。。)
店内は簡素な作りのところが多く、お洒落なショッピング街の店舗はともかく、町中のお店は
丸テーブル、丸椅子またはベンチシートといった感じです。
お値段はドリップコーヒーのトールサイスで40香港ドル。
日本円で800円ですから高いですね。
スタバに限らず、香港の物価は日本の倍という感覚です。
ちなみに、日本帰国日の朝食は香港空港のスタバだったのですが、サンドイッチとコーヒーで100香港ドル(日本円で約二千円)でした。
なので店内は空いていて、隣のキャンティーン(朝食セット46$など)には行列が出来ていました。
深圳のスタバ
かつて僕が深圳に赴任していた頃、自宅アパート近くには徒歩圏内で三軒のスタバが有りました。どのお店もさほどおしゃれな雰囲気ではなかったものの、中国のワイワイガヤガヤとした雰囲気とは違った、静かに過ごせる空間がスタバでした。
僕はよくMacBookを抱えて、そこで仕事をこなしたものです。
中国人はコーヒーよりお茶。年齢層が高いほどその傾向が強く、客層は主に大学生か香港から所要で来た人々です。
稀に数人の中高年層を見かのですが、何もオーダーをせず、単に井戸端会議の場として利用している人々だったりします。こんなところも恐るべしですね。
最近の店舗、特に福田区などの近代的なオフィス街にある店舗は、日本の店舗かそれ以上にお洒落なのですが、昔からの商業地区である羅湖区の店舗はシンプルな雰囲気のお店が多いです。
お値段はドリップコーヒーのトールサイスで27人民元。日本円で540円ですからやはり高いですね。
ちなみに僕が深圳に駐在していた2010年頃は15人民元。
当時のレートも1人民元は13円程度だったので日本円でいうと200円くらい。
日本よりかなり安かったです。
当時の地元のスタッフにとっては、食費一食分に相当する金額だったようです。
やはり日本のスタバ(に限らず)は安い
いまや日本は、観光人気度世界一。その三大要因は、食べ物が美味しい。街が清潔。そして何でも安い。確かにその通りだと思います。
世界の物価指数の目安として、ビッグマック指数という物があるように、スタバの価格もある程度の目安になります。
世界一安い(?)スタバのある日本。スタバに限らず何でも安い国になってしまいました。
逆に海外に出かけると物価の高さにびっくり!
物価の感覚は、パリは日本の2〜3倍。香港は2倍。
かつては1/5と言われた深圳の物価も、今や物によっては日本とどっこい。
場合によっては日本以上。
この2〜30年、物価据え置きで、暮らしやすい国になったのは良いことなのですが、その反面、仕事でも観光でも海外に出かけられない状況になってしまいました。
事実、パリ、香港、深圳の街角で日本人に出会うことは稀でした。(10年前、僕がいた頃の香港深圳は石を投げれば日本人に当たるという状況だったのに。。)