パワエニ

古いMac、旅行、日々の出来事など徒然に綴るBlogです。

クルマのお話(漫画編)


僕は、今でこそクルマに全く興味はなく、走りさえすればそれで良いという実用的観点により、古いフォルクス・ワーゲンに18年乗り続けています。

 

そんな僕ですが、20代〜30代にかけてはハチロクだったり、スカGだったり、それなりに運転して楽しいクルマを乗り継いできました。

 

今回と次回は、僕の人生のいっときを楽しくしてくれたクルマ。そして、クルマの楽しさを教えてくれた漫画と小説。そこに登場する魅力的な車のお話をしてみたいと思います。今回は漫画編です

 

名車への想い「GT roman」

80年代半ばに週刊ヤングジャンプに連載された、ノスタルジックカーをモチーフにした味のある漫画です。

ストーリーは、「族」のリーダー上がりのマスターが経営する沼津のカフェ「roman」を舞台に、マスターを慕ってお店に通うクルマのエンスージアスト(平たく言うと車オタク)のお客たちが引き起こす、日常の悲喜こもごもの出来事をユーモラスかつクールに、ときにロマンチックに描いている大人向け漫画。

 

当時クルマ好きの僕としてはかなりハマり、この漫画を何度も読み返しました。

 

初代GTRが当時の最新型スカG(GTS-R)と峠道で勝負。両車には20年のテクノロジーの差があり、新型車が勝つと思いきや。。?

クルマを操り、ドライビングを、そして人生を楽しむ。そんな深みのある漫画でした。

 

ここに登場する数々の名車の中で、僕的にとても惹かれた3台についてお話してみたいと思います。

 

初代スカイラインGTR ハードトップ

引用:GTroman ORIGIN1

カフェ「roman」マスターの愛車。漫画が掲載された当時は15年落ちくらいのクルマですが、マスターはとても大事に乗っていて、夏は水温計が上がっちゃうのでガレージでお休み。
(うちのワーゲン。近年の猛暑、エアコンが効きません。。)

GTRは一見すると普通の大衆車なのですが、その速さは当時の国産車ピカイチで「羊の皮を被った狼」と呼ばれました。

 

搭載されたエンジン(S20型)は出力160馬力、6気筒4バルブDOHCにソレックス3連装キャブレターを搭載。

さらにはエンジンブロックやシリンダーヘッドにアルミ合金を採用するなど、レーシングカーそのもののエンジン。国内ツーリングレース50連勝神話を残す名車です。

 

レースで実証されたその速さもさることながら、当時の日本車としては極めて洗練されたデザインを纏っていました。

 

特にハードトップの流れるような美しいルーフライン。リアに向かって緩やかに傾斜するラインは、エレガントでありながら、どこか力強さも感じさせます。

(上記、この漫画のカットでも解りますね)

 

この時代の金属プレス加工技術でこんな美しい造形を実現したプリンス自動車(後に日産に吸収)のデザイナー、設計陣の熱意の賜物なんだろうなあと思わずにはいられません。

 

このデザインポリシーは当時のフェアレディzにも繋がるものがあります。とにかく当時の日産のスポーツ車はリアに流れるルーフラインがめちゃくちゃ格好いいです。惚れ惚れするほどです。

 

ロータス・ヨーロッパ

引用:GTroman ORIGIN3

60年代後半から70年代にかけて生産された、イギリスのロータスが送り出した伝説的なスポーツカー。

 

軽量なFRP製ボディ、ミッドシップレイアウト、卓越したハンドリング性能。

 

この車の魅力もデザインの秀逸さです。車高は僅か107センチしかなく、この漫画によると、サイドウインドウからはガードレールしか見えないらしい。(マジ?)

空気抵抗を最小限に抑えることに特化した極端なまでの流線型ボディ。あとにも先にも何者にも似ていない、超絶とんがりながらも英国らしいジェントルな風情のあるクルマだと思います。

 

このクルマ、乗り手を選びますね。(漫画のように助手席も然りです)

 

アルファロメオジュリエッタ

引用:GTroman ORIGIN2

アルファ・ロメオ。いかにも官能的な国民性のイタリアらしい響です。

 

コンパクトなボディに1.3リッターのDOHCエンジンを搭載。優れたハンドリング性能も相まって人気を博した60年代イタリアンスポーツの名車。

その醍醐味は漫画の通り。

 

ベルトーネが手掛けたデザインは、シンプルながらもエレガントなラインと、スポーティなディテール。

 

フロントグリルに配されたアルファロメオの伝統を象徴する盾形のエンブレムはジュリエッタの魅力を更に引き立てていました。

そのフォルム、初代ブルーバードとか、当時の日本車のデザインに相当な影響を与えていると思います。

 

あの頃の名車 まとめ

クルマとしての極限の性能と、乗り手のハートに突き刺さるような先鋭的でありながらもエレガントさを併せ持つデザイン。それらを当時の技術で成し遂げた情熱と魂が凝縮された名車たち。

 

当時の名車は、クルマが好きで好きでたまらないというエンジニアやデザイナーたちが、寸分の妥協もなく作り上げた、走る芸術品だったのだとしみじみ思います。