パワエニ

古いMac、旅行、日々の出来事など徒然に綴るBlogです。

Mac@インターネット黎明期の映画

こんにちは。今日も読んでいただきありがとうございます。

 

自宅やカフェ、どこにいてもWi-Fiがあるのが当たり前の世の中になりました。

今回はインターネット黎明期、90年代後半のモバイル事情を、当時の映画作品で振り返ってみたいと思います。

 

ちなみに、その頃のモバイル通信方法は、ノートパソコンをケーブルで携帯電話につなぎ、通信プロバイダーのアクセスポイントに接続するという方式でした。

やり取りするデータは重い画像ではなく、テキストベース。iモードの登場は1999年でした。

 

外出先でネット接続して通信するという行為は、まだまだ世の中的に奇妙な行動スタイルだったのです。

 

そんな新しい時代の幕開け期に、モバイル通信をさりげなくモチーフに取り入れて、大ヒットした映画を3本紹介しますね。

 

ミッション・インポシブル(1996年)


トムクルーズの大出世作、ミッション・インポシブル第一弾。

 

この映画は、僕がまだ小学校低学年の頃、父親の横で観ていたアメリカのテレビドラマシリーズ「スパイ大作戦」のリメイクです。

 

このドラマ、毎回クールなお決まりシーンで始まります。

ミッションの指令を受ける諜報部員が、あらかじめ連絡された場所に行くと、そこにはいつもお約束の超小型テープレコーダーと、写真の入った封筒があります。

 

テープ再生をスタートさせると、「おはようフェルプス君」の声に続いて、敵方のキーマンの顔写真の紹介、続いて遂行するミッションの説明。

そして最後に「尚、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切感知しないからそのつもりで。。成功を祈る。」

その瞬間、テープレコーダーは白い煙を吐き、写真とともに消滅。

 

さすがアメリカ、日本の刑事ドラマなんかとはレベルが違う!と小学生ながら毎回胸を踊らせたものです。

 

それから時を経て約25年後、96年の映画版「ミッション•インポシブル」公開。

早々映画館に足を運びました。

 

トム・クルーズ演じるイーサン・ハントが、アジトでインターネット経由でCIA本部にアクセス。敵組織とのやりとりに使う電子メール。

送信ボタンをクリックすると、メールが封筒に折り込まれ、PowerBookの画面の奥にすーっと吸い込まれていきます。このUIはシビレました。

 

ちなみに彼が劇中で使っていたノートPCは、PowerBook5300Ceという真っ黒な12インチモデル。

当時のPowerBookの最高級モデルです。

実はこのシリーズは、ヒンジの強度が弱かったり、バッテリーが発火したり、ソフト的なバグが多かったりで散々な製品でした。

 

余談となりますが、元YMO坂本龍一氏、彼は一貫してMacユーザーだったのですが、PowerBook5300の、あまりの品質の悪さに辟易し、ウインドウズに乗り換えてしまったといわれています。

でも、坂本さんは後年やっぱりMacに戻ったんですよ。学ラン着て、Mac雑誌のおとぼけ特集で、コミカルな味を出していました。人としてとにかく幅のある人です。

 

*探してみたところこちらに記事がありました。

ascii.jp

 

 

続いて、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったトレンディ俳優織田裕二の大人気作

 

踊る捜査線THE MOVIE(1998年)

警視庁湾岸署管轄内で、ある殺人事件が発生。被害者は、ある仮想殺人のホームページに頻繁にアクセスしていたことが判明。

 

そのホームページの開発者が、キョンキョン演じるテディこと仮想殺人マニアの日向真奈美であることを突き止めた織田裕二演じる青島刑事と、同僚の水野美紀演じる柏木雪乃。

 

遂に彼らはカフェで接触を図るのですが、その方法がなんとパソコンでのチャットでした。

 

キョンキョンのノートPCはPowerBook G3 。当時は12インチくらいのノートパソコンが多かったなかで、PowerBookG3は14インチ。かなり自己主張の強いノートPCでした。

 

今ではMacBook Proの小さい方のタイプが14インチなんで、当たり前のモニタサイズになりましたが、当時のノートPCは、ベゼルがめちゃ太かったのでとにかく大きかったのす。

 

カフェーで大振りなPowerBook G3でチャットするキョンキョンの演技、なんとも不気味な雰囲気を醸し出していました。

 

あの当時、もちろんWiFiは存在しなかったので、このチャット接続はどうしていたのかと注意深く見てみると、キョンキョンPowerBookは描写がなかったのですが、水野美紀のウインドウズノートは、PCカードをスロットに差し込んで通信ケーブルをPHSに接続するオタッキーなガジェットを使っていました。めちゃくちゃ時代を感じます。

 

ちなみに、この頃のノートPCのデザインは、モニタを閉じると自分側からロゴが読める状態、つまりモニタを開くと向こう側にいる人からは、ロゴが逆さまになるのが普通でした。

写真のキョンキョンPowerBookも、白リンゴマークが逆さですね。

 

ある時、この常識をSONYVAIOがひっくり返し、ブランドを周囲の人にアピール戦略をとったのです。

まさにスタバとかカフェーなどお洒落な場所に持って行くノートPCというステータスですね。

その後、Appleも含め一気に他社もこの流れに追随。当時のお洒落パソコン、実はVAIOだったのです。

 

 

ユーガットメール(1998年)

 

トム・ハンクスメグ・ライアン主演のラブコメディです。片や大型書店の御曹司、片や街の小さな書店の女経営者。

 

実は二人はビジネスでは商売敵として反発し合っているのですが、AOLというインターネットプロバイダーのメールサービス上では知らない者同士のメル友。

メールのやり取りをするうちにお互い惹かれ合い、やがて出会いというストーリー。

 

メグ・ライアンが使用するパソコンはPowerBookG3でした。ちなみにトム・ハンクスIBMThinkPad

少数派のMacと圧倒的なウインドウズ。二人のビジネスの規模を象徴しているかのようですね。

 

インターネットとノートPCという、当時のとんがった小道具を使いながらも、ほんわかした心が和む作品でした

 

ちなみ当時、メールの接続方法は自宅の電話回線に繋いでメールの送受信を行う、ダイアルアップと言う方式。

接続されると「ピーガラガラガラ。。」という特有の音が流れてくるシーンがなんともノスタルジックです。

あの頃のMac

パソコンは圧倒的なウインドウズ全盛時代。Appleの市場シェアはわずか3%程度。

そんなビジネス環境でありながら、当時のMacはデザイナーやアーチストなど、クリエーターをコアユーザーとして抱えており、デザイン性も高く、時代の先進性を描いた映画の小道具としてどハマりしたプロダクトでした。

 

なかでもキョンキョン、メグライアンが劇中で使っていたPowerBook G3。

なんとなく89年の映画「バットマン」に登場するバットモービルに似ているなぁと思います。

独特な世界観を醸し出すバットモービル

調べてみたところ、バットモービルのみならず、あの映画に登場するゴッサム・シティからバットスーツに至るまで、アントン・ファーストというプロダクションデザイナーの手によるものらしいです。

 

彼のデザインとAppleとは何の関連性もなかったようですが、少なからずPowerBookG3のデザインは、バットモービルからインスパイアされたのではないかと勝手に思い込んでいます。

 

黒を基調とした、なんともいえないどーんと引きずり込まれるような独特の世界観。僕はあの雰囲気がたまらなく好きで、バトマンシリーズは唯一あの作品だけ何度もDVDで見返しています。

 

PowerBook G3 なんとなくバットモービルを彷彿とさせます。

 

 

当時のAppleのデザインの奮闘は、映画の持ち味を大きく引き立てていました。

 

今それらのプロダクトをみても、斬新さを保っているPowerBookのデザインは奇跡です。

大いにリスペクトに値するものだったと思います。