最近、アメリカでトランプ政権がDEI(多様性・公平性・包括性)の見直しに動き、ウオールマートやメタなど多くの企業がDEI施策の縮小や撤廃を進めているとのニュースを目にします。
調べてみたところ、この背景には、主に以下の要因があるようです。
1. 保守派からの反発と政治的揺り戻し
近年、企業が多様性推進のためにマイノリティの採用や昇進を積極的に行う動きに対し、保守派や一部の白人男性労働者から「逆差別」との批判が高まっていた。
2. トランプ政権の政策転換
トランプ大統領は、就任初日から「性別は男性と女性の2つだけ」とする大統領令を発令し、性的少数者やジェンダーに関する多様性推進策を見直す方針を示しています。
これにより、企業も政府の方針に合わせてDEI施策の縮小や撤廃を進めています。
3. 企業側の対応とリスク回避
多くの企業は、これまで多様性推進の取り組みを行ってきましたが、保守派からの批判や「キャンセルカルチャー」によるブランドイメージの毀損や訴訟を避けるため、DEI施策の見直しを進めています。
これらの背景から、多様性政策の見直しが進行しているようです。
なんだか、世界をリードするアメリカそのもののゼンマイが逆方向に巻かれだしているようですね。
GAFAもAppleを除き、各社その流れに巻かれている状況はちょっと情けない感じがしていました。
そうしたなか、Appleが2月25日の株主総会で、外部株主からの「DEI取り組みの停止」提案を否決したことは、AppleのDNAとも言うべき多様性の尊重への強い決意を感じました。
メタを筆頭に錚々たる企業が政治的な圧力や保守派からの批判を恐れて、DEI施策の見直しに踏み切る中で、Appleの一貫した「多様性は企業の成長に必要不可欠な要素だ」との信念を貫く姿は、長年のアップルファンとしては拍手喝采ものです。
そして、その根底にはスティーブ・ジョブズが築いた哲学が息づいていると感じました。
Think Different
かつて、Appleは単なるコンピューター会社ではなく、創造性と革新の象徴であるとの方針により「Think Different(違う考え方をしよう)」という広告スローガンを掲げていたことを今でも鮮明に覚えています。

「Think Different」キャンペーンの核心は、歴史に名を残した偉大なクリエイターやリーダーたちのモノクロ写真を使用した広告でした。
広告に登場した人物はアインシュタイン、ガンジー、 ジョン・レノン&ヨーコ・オノ、 マリア・カラス、ピカソ、エジソン、モハメド・アリ などです。
広告には、Apple製品は登場せず、Appleのロゴと「Think Different」のコピーだけが添えられていました。
このキャンペーンは、当時Appleが置かれていた「落ち目のコンピューターメーカー」というイメージを覆し、Appleを「創造性とイノベーションの象徴」として再定義することになったのです。
ちなみに、僕的には「Think Different」象徴は”PowerBookG3″だったと思います。
当時のノートPCのモニタは12インチが主流の中で、Appleが出してきたノートブックはなんと!14インチ。
しかも流線型の他の何ものにも似ていない斬新なデザイン。
とんがっりまくった個性を放つ異様ともいえるノートパソコンでした。

売上とブランド価値の復活
この広告キャンペーンが始まった直後、Appleの売上とブランド評価は急回復。
Appleは再び注目を集め、1998年に発売されたiMac、2001年のiPod、そして2007年のiPhoneへとつながる道を開いたのです。
現在のAppleがDEI(多様性・公平性・包括性)を積極的に推進する姿勢も、この「Think Different」の延長線上と思います。
異なる背景や視点を持つ人々が集まり、イノベーションを生み出すという思想は、ジョブズ時代から変わらないAppleのDNAなのです。
Appleは公式には「Think Different」のスローガンを使わなくなりましたが、AppleのCEOティム・クックは、「Think Different」の価値を守り続けることを強調しており、特に多様性を尊重する企業文化の維持に努めています。
Appleの「Think Different」キャンペーンは、単なる広告を超えて、スティーブ・ジョブズの哲学そのものを体現するものでした。
そして、その精神は今もAppleの企業文化に生き続けています。
「クレイジーな人たち」が世界を変える。Appleはこれからも、そんな価値観を大切にしていくのではないでしょうか。
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