パワエニ

Mac、旅行、日々の出来事など徒然に綴るBlogです。

赤いペガサス

F1漫画不朽の名作

赤いペガサス第1巻より引用

前々回までクルマのお話を3回書いたところで、漫画編で思い出の深い作品がもう一作あったことを思い出しました。今回はそのお話。

 

僕が高校生だった1970年代後半、少年サンデーに連載されたF1漫画『赤いペガサス』。

 

作者・村上もとか氏による、当時未だ一部のマニアにしか知られていなかったF1というモータースポーツ。その緻密な描写とドラマティックな展開に毎週ワクワクしながら、毎週水曜日の少年サンデーの発売を楽しみにしていたことをよく覚えています。

この漫画、「GT roman」同様、数年前て電子書籍で買い直しました。


宿命を背負った天才レーサー


主人公・ケン・アカバは、日系イギリス人の若きF1レーサー。

彼は「ボンベイ・ブラッド」と呼ばれる世界でも稀な血液型の持ち主で、事故は即、死につながるリスクを抱えています。

当時、時速300キロに及ぶレーシングスピードに車体の安全性が追いつかず、ドラーバーの事故死率も高かったF1の世界。

彼はそんな宿命を背負いながらも、天性のドライビングセンスと不屈の闘志で、過酷なF1サーカスを転戦していく物語です。

当時のメイドライバー、マリオ・アンドレッティ


フェーラーリ308GTレインボー

物語の冒頭、英国で妹のユキが乗るクルマとして、フェラーリ308GTレインボーが登場します。

1976年のトリノ・ショーで発表された、ディーノ308GT4のシャシーをベースに、ベルトーネがデザインしたタルガトップのコンセプトカーです。3リッターV8エンジンを搭載し、最高出力255馬力

 

コンセプトカーなので市販はされなかったのですが、そんなクルマが市販車として登場してしまうのも漫画ならではの世界です。

 

そして、「雨の日には車をみがいて」とは真逆のカーバトルシーンが。。

 

またもこの話題で恐縮なのですが、高性能なクルマにはそれに見合ったドライビング技能が必要。その「究極すぎるお手本」というシーンが赤いペガサスに登場します

赤いペガサス第1巻より引用

ヒースロー空港で日本からやってきた兄・ケンを迎えるユキ。

彼女の愛車フェラーリ308GTレインボーのハンドルを握るのはケン。

家路に向かう途中、パパラッチに遭遇。

「あんな車に乗ってるのはどこぞのお坊ちゃんだ?からかってやろうぜ!」とばかり、5台のスポーツカーがケンのフェラーリを猛スピード追いかけ回すのです。

 

しかし、そこはF1ドライバー。相手が5台もいるので、壮絶なバトルとなりながらも超人的なドライブテクニックで1台残らず蹴散らしてしまうシーンは圧巻でした。

 

「雨の日には車をみがいて」で、BMW 2000CSを操りきれなかった主人公とは対局の展開。

フェラーリの真価を極限まで引き出すドライビングテクニック。このシーンは40数年経っても脳裏に焼き付いています。

 

 

ツーリングカーレースからF1へ

赤いペガサス第1巻より引用



ケンは元はツーリングカーレースのドライバーでした。

ある、日本のチームがF1に進出するため、セカンドドライバーとして英国人でありなからルーツを日本にもつケンを迎え入れたのです。

このへんの展開は、後年のロータス・ホンダが中嶋悟を迎え入れた状況に酷似していますね。

 

余談ですが、ツーリングカーの世界からF1に移行した選手は過去にジャン・アレジゲルハルト・ベルガーミカ・ハッキネンなどがいたようです。

 

F1は、極限のスピードとマシンコントロールが求められるのに対し、ツーリングカー選手権は、接近戦での駆け引きや多様な路面への対応、戦略的なレース運びが重要になります。

 

双方のレーシングカテゴリーで、優れたドライバーであるケンに勝負を挑んだロンドンのパパラッチ。相手が悪すぎました。